ブリーフセラピーのエッセンス その4

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前回からの続き、解決志向アプローチ(ソリューションフォーカスドアプローチ)についてのお話しです。

そもそも短期療法はアメリカで「家族のコミュニケーション」を研究する中で生まれました。

 

従来の心理療法では「不調」の原因究明に負担が大きい上に、充分な効果を得るまで時間がかかり過ぎる事から、短期間で効果のある療法として発展してきました。

 

当時のアメリカではベトナム帰還兵のPTSDや離婚問題、非行問題など、家族の問題が深刻な状況だったのですね。

 

「問題が起こるのは相互作用であり、誰も悪くないし原因探しもしない」

 

これは前回紹介した短期療法の基本的な視点ですね。

 

これはとても大切な視点で「悪いのはあの人だ」と思っているうちは解決に向かわないことが多いのです。

 

支援者⇔相談者間でも同じことが言えるようです。

 

なぜなのでしょうか。

それは、関係者も本人さえも、問題を解決しようと努力した結果生じた悪循環だからです。

 

そしてその問題行動は本人だけでなく、誰かの役に立っていることもあるようです。

 

だから「問題行動を止めよう」と頑張っても無駄な努力に終わる事が多い。

 

だからこそ、問題に触れずに解決できるSFAが生まれたのです。

解決志向アプローチ(SFA)は、その人の元々持っている力を最大限に活かすことで良循環を作っていく解決方法です。

学校の学級運営・会社の社員教育などによく活用されている方法で、アメリカではDV加害者にSFAを用いた更生プログラムが、他のプログラムと比較すると、とても高い効果を得ているとのことです。

 

「問題を抱えて困っている人」に希望を持たせ、前向きに対処できるように支援すること。

 

我が家の不登校だった長男はこの方法で再登校できるようになり、私は「本物の支援」を知るきっかけになりました。

 

解決志向アプローチの前提となる考え方を紹介します。

①   原因ではなく「解決」について考えることが役に立つ。

完成図のない家はできませんし、メニューが決まらないと料理もできません。問題が起きて困っている時、どうなったらいいのか、の解決像、未来像を描くことで、自らそこに向いて進んでいこうとしますし、明るい気持ちで問題に取り組めます。

 

②   誰もが自身の解決のためのリソース(輝く側面)を持っている。

あなたの性格や得意なこと、好きなこと、やってみたいこと、大事にしているもの等が内的リソース。

そして外的リソースである家族、ペット、友達、先生など、解決に向けて参加してくれる人を探します。

実は人は「上手くできていること」は無意識の中に沈めてしまうのです。なので支援者や家族はその人が気づいていない、つまり活用できていないリソース(輝く側面)をどんどん引き出して、気付かせ、そして他のリソースを使ってどんな解決像を描けるかを考えていきます。

 

③   「変化」は絶えず起きている。

人は必ず時間とともに成長し、変化し続けています。いつまでたっても変わらないと感じるときは、変化を妨げている「なにか」があると考えます。

否定的な「言葉」「態度」はウイルスです。「あなたは変わらない」「あなたには問題がある」という言葉や態度こそが人の変化を妨げます。

逆に「あなたはこんなことが出来るんだね」という肯定的な言葉や態度は心の栄養になります。

少しでも出来ているところに焦点を当てて、小さな変化が生まれたらそれを続けるのです。

 

その小さな変化が、大きな変化につながるドミノ倒しの最初の一枚になるのです。

 

何か問題が起きて原因を取り除いても、遠ざけても、うまくいかないときは、

「どうなったらいいのか」という解決像(ゴール)を具体的にイメージしていくことで希望が持てます。

 

そしてそのゴールは意外とシンプルなことが多いのですよ。

「家族との会話」だったり「笑顔」だったり。

 

我が家の場合も長男の再登校がゴールではなく、「笑顔で会話できること」がウェルフォームドゴールでした。

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参考文献

interactional mind XⅡ 日本ブリーフセラピー協会

ブリーフセラピー講義 若島孔文

ワークシートでブリーフセラピー 黒沢幸子

ソリューションバンク 長谷川啓三