ブリーフセラピーのエッセンス その5
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、「問題解決の達人」になる為の解決志向アプローチ(SFA)の考え方と方法です。
前回のおさらいで、SFAの前提となる考え方 をもう一度。
① 原因ではなく「解決」について考えることが役に立ちます。
② 誰もが解決のためのリソース(輝く側面)を持っています。
③ 「変化」は絶えず起きています。 ピンチはチャンス!
この考え方をもとに、SFAの実践ルールを3つ。
ルール1 上手くいっているなら、そのまま続けましょう
ルール2 一度でもうまくいったなら、またそれをやってみましょう
ルール3 うまくいかないなら、違うことをしてみましょう
簡単そうで、なんだそんなことかと思う方も居られると
思いますが、なかなか奥が深いのですよ。
まずは我が家の例でお話ししますね。
我が家の長男が小学1年生で不登校になって2か月位経ったとき、SFAによるトレーニング方法を知りました。
悪循環を断ち切り良循環を作っていくトレーニングです。
その頃、毎朝起きてくるなり、頭が痛い、胸が苦しいと泣いて暴れていた彼と、笑顔で「おはよう」と言えることが私のはじめの目標(ウェルフォームドゴール)でした。
その為に私がやったことは、彼の問題行動を止めることではなく、彼のリソース(輝く側面)を探し続けることでした。
人は「上手くできることは無意識に沈めてしまう」と前回も書きましたが、これは人が生きていくための知恵。
例えば、自転車の練習をしている時は「ペダルをこぐ」ことしか考えられないと思いますが、こげるようになると「こぐ」ことは無意識に沈められ、その代わりに周囲の状況に注意を向けられるようになるのです。
不登校で赤ちゃん返りしたような長男の、当たり前に見えて当たり前ではない「出来ていること」を探しそれを伝えること。それを続けることわずか1週間で、はじめの目標は達成しました。
朝、「おはよう」とひとりで起きてきて、目に見えて落ち着いてきたのです。
ルール1、上手くいっているならそのまま続けましょう。
スモールステップで目標を定め、リソース探しを続けました。
みるみる彼の目は輝き始め、結果彼はわずか2週間で母子再登校をし、そこから夏休みをはさんでわずか3か月で一人登校できるようになりました。
不登校を経験した親ならば、これがどんなに早い展開なのか、理解してもらえると思います。
どんな言葉を掛けて、どんな反応があり、そしてどんな変化があったのか。この頃のことは、約4か月間すべて記録に残してあります。
もちろん一進一退もたくさんあり、落ち込むこともありましたが、それも変化の一部、チャンスと捉えることで(リフレーミング)乗り越えてきました。
のちに、同じ不登校トレーニングを受けている「親の会」を主催することになり、2年間、開催してきましたが、そこへ集まる方々の子どもは、ほとんど再登校を果たしているのです。
これはとても珍しいことなのです。
親の会でやったことは、リフレーミングの練習をして問題の捉え方を変えたり、親同志で子供のリソースを探し合い、伝え方を教え合い、最後は互いにコンプリメント(称賛)して笑顔で家に帰ること。
この時の経験が、心理学・短期療法・家族療法を勉強するきっかけにもなりました。
長男が不登校になった原因は、育て方(過干渉)、発達の問題(ADHD/LD)、聴力の問題、家庭の問題など色々ですが、
結果的にどの問題にも触れることなく彼は再登校し、問題は解消しています。
聴力問題は、再登校した後の検査で聴力が皆の半分しかないことが分かり、その後2回の手術で治癒しました。
発達検査で出たLD学習障害の傾向も、2年後の検査では気にならないくらいに解消されていました。
中学1年になった今では、めでたく反抗期に入り、過干渉させてもらえません(>_<)。
「問題行動は必ず何かの役に立っている」と前回書きましたが、
彼の不登校は、当時、家庭崩壊の危機にあることを気付かせ、立ち止まることを教え、悪循環から抜け出すきっかけを作ってくれたのですね。
「不登校するなんて、良い子ですね」と声掛けされたことが
びっくりするとともに、リフレーミングするきっかけになったのです。
リフレーミングの面白さを教えてくれる一文を。
「バラの木にトゲがあるなんて残念。でもトゲのある木にバラの花が咲くなんて素敵!」
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